アンティークショップで見つけたアーコールが気になる・・
アンティーク家具屋さんに行くと、よく見かけるERCOL(アーコール社)のチェアやテーブルたち。
とっても可愛いデザインで一目惚れする方は多いです。
ただ可愛いだけでない入門向きなその魅力とメンテナンス方法を解説します。
※アンティークとビンテージの違いについては下記の記事を参考にしてください。
※この記事を書いた人
・日本最大級のアンティークショップに7年勤務
・修理したアーコールの家具は5000件以上
・自宅にも多数のアーコール家具の所有歴あり
アーコールはとっても扱いやすい家具です!
アーコールはどんな家具?
アーコールはどんな家具かというと、家具を作る材料はとてもシンプルで扱いやすく、デザインも1920年にイタリアのデザイナーが手がけた部屋に置きやすい、シンプルで可愛いデザインのものが多いです。
アーコールの木材は?
アーコールの家具の材料である木材は、主にエルム、バーチ材が使われているものが多いです。
柔らかい印象と表情豊かな木目でデザインだけでなく、木材だけでもアーコールの大事な部分です。
ちなみに現在でもアーコールの家具は販売されているものもありますが、昔の木材は使えなくなったためホワイトアッシュという木材に変わりだいぶ雰囲気は変わってしまっています。
エルムはどんな木材?
エルムという木材は日本でゆう、ニレの木のことを言います。
ギリシャ神話に登場するほど昔から重宝されてきました。
アーコールチェアでゆうと、座面の部分に使われています。
木目が優しく、ある程度の硬さもあります。
ビンテージ家具でゆうと加工しやすい方だけどね!
ビーチはどんな木材?
ビーチ材も昔からある木材で、いろんな家具に使われています。
日本でゆうと、ブナの木です。
アーコールチェアでゆうと背もたれの部分。
あの部分は木を掘り出しているのではなく、細長いビーチ材を曲げて、作られています。
ちなみにバーチ材とよく間違われますが、バーチはカバザクラと言われ、桜に似た木材です。
言い間違えちゃうよね
アーコールの家具を選ぶメリット
ビンテージの有名ブランドというとたくさんありますが、アーコールの家具を選ぶメリットは多いです。
無垢の集成材が使われている
アーコールは基本的に無垢の集成材が使われています。
他のブランドのビンテージの家具は主に突板という薄い木のシートを使い、大きい木の板を使っているように見せていることが多いです。
リペア(修理がしやすい)
突板の家具は表面の薄い木のシートがダメになるとおしまいですが、アーコールは無垢集成材のため削ったりして際加工することが可能なので、本体の木がなくならない限り、何度でもリペア可能です。
虫食いに強い
これは経験談ですが、アーコールの家具は他の家具に比べると圧倒的に虫食いが少なかったです。
海外から輸入するビンテージ家具はかなり虫食いされていることが多いですが、アンティーク会社に勤めていた時に数千点のアーコールと関わりましたが、滅多に虫食いされているアーコールは見ませんでした。
アーコールの家具を選ぶデメリット
アーコールのメリットは逆にゆうとデメリットになり得る部分もあります。
木材が曲がりやすい
無垢集成材なので、突板の家具と比べると曲がりやすく、たわみやすいのでテーブルの天板などは、
歪みが出る可能性があります。
適度に保湿したり、重いものを放置したりしないようにしましょう。
カビやすい
やはりこれも突板家具より内部まで木でできているため、カビやすいです。
暗いジメジメした場所に放置しないようにしましょう。
部品交換しにくい
アーコールの家具の部品は木製の部分が多いため、特に取っ手などが破損すると職人でないと再現するのは難しいです。
雑に扱ったりしないようにしましょう。
アーコール家具の特徴は?
アーコール家具の特徴は、極力、取っ手なども木材で作り、ネジ、ビスを使用したとしても、頭をきちんと隠したり金具などは少なく無駄のないデザイン性で木材の持つ表情、軽さ、扱いやすさがあります。
アーコールの取り扱い注意事項
アーコールの家具に限ったことではありませんが木製家具には取り扱いの注意事項があります。
・クーラーの風を直接当てない
乾燥は木製家具の敵です、風を当て続けないようにしましょう。
・熱いものを上に置かない
特に、テーブルの上などに直接熱いお鍋など置くと、木にはもちろん、塗装にもダメージになります。
・水で濡れたままにしない
水で濡れたままにすると木が腐ったり、塗装にシミが残ったりひどいと、カビが発生したりします。
一度、カビが生えると根本から取ることは難しいので気をつけましょう。
アーコールのメンテナンス方法は?
アーコールのメンテナンス方法は基本的に乾燥させないことが、ポイントになってきます。
乾いた状態が続くと、木材が割れてきたり、接合部がゴソゴソになり家具自体のガタ付きにつながります。
だからと言って毎日何かしないとダメ、ということではなく月一回や、明らかに乾いた状態にならないようにたまに気をかけてあげるぐらいで大丈夫です。
乾燥させないためには?
乾燥させないためには、クーラーの風を直接当てないなど、場所も重要ですが、そこまで気にする前に、家具用のオイルが市販されてるので、定期的にオイルを全体的に塗ってあげるだけでも、家具の長持ちにつながります。
メンテナンス用おすすめ家具オイル3選
メンテナン用オイルは家具の化粧水のようなものです。
香りがいいもの、保湿力が高いもの、植物由来のもの、などがあります。
香りがいい家具用オイル
・ハワード社 オレンジオイル
家具用のオイルは選び方を間違えると臭いがきつく、家で使うには気になるものがありますが、こちらはオレンジの香りがよく、さらっとしているので、使いやすいオイルです。
保湿力の高い家具用オイル
・ハワード フィーデンワックス
オレンジオイルにカルナバワックスという、ヤシの木のオイルを配合して、さらに保湿力をアップさせたオイルです。
少しコッテリしているので、塗りすぎには注意です。
自然由来率の高い家具オイル
・Parrs(パーズ)ビーズワックス
自然由来の素材100パーセントという人や自然に優しい家具用オイルです。
主に蜜蝋と重合亜麻仁油が使われていて、アーコールと同じイギリス発祥のオイルメーカーです。
まとめ
アーコールの家具は誰の目に見てもインテリアに馴染みやすく、軽い家具が多く、トラブルがあった際も修理しやすい、魅力たっぷりな家具ブランドです。
ビンテージ家具を初めて持つ方にもおすすめできますのでぜひ、運命のアーコールとの出会いを探してみてください!
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